宝井理人大先生「花のみぞ知る」感想〜王道のキャンパス青春恋愛〜
テンカウントでおなじみの宝井理人先生の「花のみぞ知る」。
宝井先生はあまり多筆な方ではないので、貴重な作品の一つですね。
花のみぞ知る 1 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 43)
- 作者: 宝井理人
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: コミック
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花のみぞ知る 2 (ミリオンコミックス CRAFTシリーズ48)
- 作者: 宝井理人
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2011/11/15
- メディア: コミック
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花のみぞ知る 3 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES)
- 作者: 宝井理人
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2012/09/01
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テンカウントは言わずもがなですが、もう、これも大好きなんですよ。
キャンパスライフで、白衣で研究室、河原で青春・・・もう苦くて甘い青春ストーリーだぞ!! って感じです。
宝井大先生、ありがとうございます!!
テンカウントが好きな人は読んで損はないのではないかと。
主人公の1人、クールビューティーとした佇まいとドジっ子属性とのギャップが可愛い御崎くん。研究室で植物の研究?をしている大学生です。不幸体質といいますか、どこか影のあるキャラクターです。
とにかく御崎くんが可愛すぎて・・・宝井先生の作品の魅力は色々あると思うのですが、私は、受け側の男の子がとにかく魅力的だと思いますよ。
宝井先生、ちょいツンデレっぽいクールビューティーが好きですね?
*BLの面白いところというのは、作者の好きポイント(萌えどころとも言いますね)がよく分かるところ・・・そしてその好きポイントが作者ごとに千差万別なところだと思います。
細かいところなのですが、一人称が意外と「俺」だったり、言葉遣いが可愛すぎないのがいいです。過去のトラウマから、傷付くのが怖くて他人に壁を作る性格で、有川くんを好きになってしまうけどその気持ちを一生懸命隠そうとします。その葛藤が彼を凄く人間らしく魅力的にみせています。
そんな御崎くんを振り回すのが、もう1人の主人公、ハイスペック法学部生の有川くん。イケメンで見たものをすぐ記憶できるという頭脳の持ち主です。こういう人は実際に、たまに、いるようですね。教科書などを画像として瞬時に記憶できるらしいですが・・・(某弁護士アメドラにもそんな人がいましたね)。
これは腹立たしくて爆発しそうです。
*人類に時は平等に与えられているのに、何故才能は平等に与えられないのでしょうか・・・。
彼は御崎くんと正反対で、あれこれリスクを考えることなく、自分の考えるままに行動するタイプ。性格もあるでしょうが、そのハイスペックゆえにあまり挫折を味わったことがないのかもしれないですね。
「自分の恋愛は・・・女の子に告白されて、いいと思ったら「うんよろしくね」と言って付き合う」、みたいな独白があるのですが・・・なんだとお前!!
これは腹立たしくて・・・(略)。
こういうイケメンは相当思い上がった性格になりそうですが、彼は真っ直ぐで優しい性格なんですね。
2人は本当に陰と陽、影と光、といった対照的な存在です。
だからこそ惹かれ合う、という、これはもう恋愛、あるいは友情ものの定石なのですが。
キャンパスを描いた絵などを見る限り、東大を舞台、というかモデルにしているのでしょうか? 2人とも優秀なわけです。
御崎くんは努力して入学して、有川くんはそこまで努力せずにさらっと入学した感じ。
ドラマ的な偶然の積み重ねで知り合い、同じ研究室で過ごすことになる2人ですが、御崎くんは意識的に、有川くんは無意識的に相手に惹かれていきます。
御崎くんは元々同性愛者で、自分が同性を好きになるということが分かっているのから、有川くんへの気持ちにも自覚的です。他方で、有川くんは元々女の子と付き合ってきて、特に同性愛への偏見もないけれど、「自分が男の子を好きになる」という前提がそもそも意識にないから、始めはあくまで無意識的に惹かれていきます。
そして、恋愛物には欠かせない、恋のライバル、噛ませ犬、盛り上げ要員、・・・的ポジションにいるのが、御崎くんの祖父の教え子であった、川端おじさん・・・お兄さんです。
この川端さんは、高校生だった御崎くんを好きになり、あわや手を出してしまいそうに(っていうか少し出した・・・)なるのですが、「何をしているんだ自分は、恩師の孫、しかも、男ではないか」、と自分を抑えてきた人物。
*ちょっと手を出した時、川端お兄さんは大学生?大学院生?う〜んこれはセーフ・・・?18未満だったらいかんですね。
しかも、婚約相手を御崎くんに紹介しておいて、その後も御崎くんを拘束しまくっているmajide面倒くさいストーカーおじさんです。
噛ませ犬・・・ライバルが、かなり歳上の大人の男というのは青春ものにしてはちょっと珍しい感じですよね。しかも屈折した愛情を注いでいて、ストーカーだという・・・。
しかも、御崎くんに好きな男ができたと知って激おこになって御崎くんを襲うという・・・このシーンで興奮してすいません。
御崎くんは元々川端さんに惹かれていたので、川端さんもちゃんと素直になれていたらチャンスあったのにね。まあ、恋愛ってタイミング、もとい巡りあわせですからね(遠い目)。世間体がどうとか気にしたり、こうあるべし論にとらわれると中々幸せにはなれませんね。それだけ川端さんは真面目な性格なんでしょうけれど。
*御崎くんと川端おじさんだとほのかに犯罪臭がするし、おじさんには申し訳ないけれど、有川くんの方がお似合いですyo。
・棚から物を取ろうとして落っことして、かばってもらい「エッ、何か・・・」距離が近くてドキドキ☆
・河原で寝そべっていた時に顔を近付けたら、「えっ、誰かと間違えてキスされた!?」
・大学内、また駅でドシンと正面衝突!! バサッ(荷物が落ちて中身がぶちまけられる)「あっ、ごめん!!」
など、青春恋愛あるある〜〜!!(●KKOさん風に)な感じが多いですが、描き方が上手ですよね〜。
物語の魅力っていうのは、展開の意外さとかで責めてくるものもありますが、ほとんどはよくあるような(どこかで一度は見たような)展開をどのように描くかという点に尽きるのではないでしょうかね。
後はもうキャラクターの魅力ですよね。
しつこいようですが、本当に御崎くん可愛い。Kawaii!! 有川くんが「ほんっとかわいいな・・・」って言うシーンがあるのですが、全読者の声を代弁してます。
しつこくてすんません。
しつこいっていう自省もしつこくてすいません。
全然魅力を伝えられていない気がするのですが、とにかく御崎くん可愛いのでそのためにも読む価値ありでした。
男女のキャンパス青春恋愛だとそれはそれでキュンキュン(書いていて恥ずかしい)する反面、無性に腹立たしいような気持ちにもなるのに、BLだとただ幸せな気分になるのは一体何なんでしょうね??