コンテンツの海を漂うのBlog(続)

徒然コンテンツの感想Blog。嗜好は偏っておりますのでご注意ください(BLが多い)。

「恋するインテリジェンス」感想〜ハイスペック男性はハイスペック男性に恋をする〜

 

最近BL人気が凄いですね。

 

おっさんずラブ」(一応BLとする)のヒット。

 

「テンカウント」、「ギヴン」、「パパだって、したい」etcと怒涛のアニメ化。「囀る鳥は羽ばたかない」は劇場アニメ化、「窮鼠はチーズの夢を見る」は実写映画化。

 

・・・これは時代が我々にようやく追いついてきましたね。

 

社会背景等も考慮すると、BLの人気というのは起こるべくして起こったと思うのですが、それはまた今度。

 

今回の感想は霞が関のエリート官僚たちの恋を描いた「恋するインテリジェンス」。

ファンタジー系BLのマスターピースです。

 

「淫らなエリートは、お好きですかーーー?」

コミックス「恋するインテリジェンス」は、N国Kヶ関の官僚たちが主人公となるエロコメディ(BL)です。…中央省庁の超エリートたちが恋にエッチに全力です!…

 

 

(公式HP

tangemichi.com

より)

 

全く意味のない伏字とか、「恋に仕事に」全力じゃないんかい、とか既に色々とツッコミどころが満載です。

 

 

 

 

 

 

恋するインテリジェンス3

恋するインテリジェンス3

 

 

 

 

 

 5巻まで出ているよ。まだ続くよ。

 

 

 

近年はリアリティーを追求した「自然な」「ドラマ性・ストーリー性に優れた」BLが増えていて、「囀る鳥は羽ばたかない」とか、「テンカウント」「ギヴン」等も比較的リアル寄りかなと思うのですが。

 

BLというのは、元来、多かれ少なかれファンタジーなのです。BLのファンタジーとは、「ゲイ多すぎ」(小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」原作のドラマ「腐女子、うっかりゲイに告る」でも主人公のゲイの高校生が同級生の腐女子のBL漫画を読んでこう述べていました)「都合の良くスピーディーなエロ展開」等が代表的。

 

 

彼女が好きなものはホモであって僕ではない

彼女が好きなものはホモであって僕ではない

 

 

 

まあ、別にBLに限らず多くのクリエイターの作る作品が「ありえない」展開であったり、そこに出てくるキャラクターが、特に作家が男性であれば女性キャラクターが妄想の産物で、女性であれば男性キャラクターが妄想の産物であることは多いわけなのですが。

 

「恋するインテリジェンス」は思い切りよく、潔く、ファンタジーへ振り切っております。

 

ただし、しっかりと細かく設定を作り込んでおり、「すごくしっかりと作られたファンタジー」です。例えば、「ハリーポッター」「ロードオブザリング」はすごくしっかりと作られたファンタジーです。「恋するインテリジェンス」は「BL界のハリーポッター」と言っていいのかもしれません(???)。

 

ファンタジー系の場合、設定の作り込みとかはせずに勢いで押し切る勢力も結構多いですが、「恋するインテリジェンス」は完全に作り込み系ですね。

 

ありえないのに、何故か読み進める内にこんなパラレルジャパン、パラレル霞が関がどこかに存在すると納得してしまう。

 

 

 

まあ、こちら、とにかく度肝を抜かれまくりの傑作です。

 

仮に自分が明石家○んまだったとしても、どこから何をどう突っ込んでいいのか分かりません(褒めてる)。

 

絵柄はリアルかつ耽美系。

 

主要人物が揃いも揃って彫刻っぽい浮世離れした美形です。

 

いや、しかし、霞が関がこんな美形揃いのHeavenであれば、私は今すぐにでも何とかして霞が関で働く手段を探しますがね・・・。

 

前述の様にファンタジー系BLあるあるとして、同性愛への抵抗はほとんどなく、同性愛者(というかバイセクシャル?)がなんだかやけに多い霞が関

 

美形男性の男性からのもてはやされぶりがもう凄い。

 

霞が関がこんな美形の同性愛者揃いのHeavenであれば、私は・・・(以下略)。

 

 

 

とにかく、設定・キャラクター・台詞が凄いのです。

 

 

 

まず、設定について、本作は霞が関の省庁、財務省、外務省、などを舞台に、そこに所属するエリートたちの恋をオムニバス的に描いています。

 

中でも中心的に出てくるのが、外務省。

 

メインカップルの1組である針生×戸堂が出てくる外務省。

 

こちらの外務省の設定が、簡単に言うと色仕掛け任務を行うと言う特別組織において、メンバーの男性達がTC(トップキャスト)=男役とBC(ボトムキャスト)=女役に分けられて、ペアで色仕掛け任務のための訓練を行ったりしている、という何とも大胆なものです。皆さん、外務省って素晴らしいところなんですね!!

 

他にも、厚労省関連で、国立医薬品衛生研究所で乳腺活性薬「パイテックス」なる男性でも乳汁を分泌できるようになる薬が開発されていたりと(しかし、これはリアルにあったら別に変な意味ではなくても男性による育児という点で非常に素晴らしい・・・)斬新というか、何というか・・・素敵な設定が楽しいです。

 

 

キャラクターについては、本作は結構登場人物がたくさん出てくる上に皆美形なので、正直さらっと読んでいると誰が誰だかよく分からなくなることがあるのですが、髪型に特徴のある人は比較的覚えやすいです。

 

自分は針生×戸堂(明るい変態のいい奴×クソ真面目で不器用)ももちろん、同じく外務省の武笠×深津が好きですね。

 

この2人はくっつくまでの紆余曲折が結構長くて、そこのドラマチックな展開が本当に良かったですよね。

 

男前の超御曹司×超美人の貧乏人、のベタなシンデレラストーリーです。

 

この2人のストーリーの様にコメディにとどまらずドラマチックなストーリー展開も所々見られます。

 

後は、財務省の土門×志山もメインカップルの1組ですね。

 

政財界のおじさん達からすぐに(性的に)狙われる少し天然の入った志山と、そんなピンチにいつも現れる王子様、俺様感の漂う土門。

 

様々なバリュエーションに富んだ男前×美人のカップルがとにかく、お洒落パーティーとかホストクラブとかで出てくるフルーツ盛りあわせ並みに(想像)盛り盛り沢山です。

 

 

 

そして台詞。台詞が本当に素敵です。良いです。世界は広く、人類は70億〜人いるといえども、こんな台詞で愛の告白をする人がいるでしょうか?いやいない。

土門が志山に言う台詞です。

 

「おまえを今すぐ俺の恋人にしたい

おまえの気高さや清さ神秘的な知性も俺のものにしたい

おまえを肉体的にも所有したい」

「おまえのこの透徹した美しさには一目惚れだった

愛を確信したのはおまえの英知の深遠に捻じ入ってその柔らかな肉壁をすべて余すことなく…俺のこの核で感じてみたいと思った時

おまえを知るたび、知れば知るたびに!

おまえが好ましくて堪らない

おまえを構成するすべてが俺のミッシングピースなのだとしか思えないんだ」

「どうしてもおまえを恋人にしたい

志山」

 

「恋するインテリジェンス⑴」より

 

いや〜凄い。何が凄いってこんな台詞を考えて、登場人物に言われる丹下道大先生が凄い。大リスペクト。

 

 

 

全然恋するインテリジェンスの素晴らしさを伝えきれていない気がしますが、もっと本気で伝えようと思ったら文章がかなり長くなってしまいそうです。

とにかくめちゃ面白いです。

 

女性の皆さん(男性も)は、「恋するフォーチュンクッキー」を踊っていないで、「恋するインテリジェンス」を読め!!と、そういうことです。

 

是非皆でパラレルKヶ関の世界に十分浸ってしまいましょう。

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