コンテンツの海を漂うのBlog(続)

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「HUGっと!プリキュア」第42話 キュアアンフィ二爆誕~男の子だってプリティーでキュアキュアになれる~

*ちょっと真面目な感じの感想になっております。

 

 平成30122日は歴史的な日となりました。

HUGっと!プリキュア」で男の子キャラである若宮アンリがプリキュア、キュアアンフィ二になったのです。

ハグプリは、これまでに初の男の子プリキュア誕生フラグを散々立てつつも、中々その気配を見せずに来ましたが遂に!!

 

やりましたね・・・。やりましたね!!

 

本話はアンリ回。本当に素晴らしい回でした。

 

 

「一瞬の奇跡」的にプリキュアになっただけではありますが、大きな一歩を踏み出したものといえるでしょう。

プリキュア自体がそもそ女の子も戦いたい、暴れたいというコンセプトで始まったものでした(そして、プリキュアには基本的にはこのコンセプトを一番大切にして欲しいと思っています)が、そこから更に進んで、ハグプリは男の子が可愛い格好をしてもいい男の子もお姫様になれる、というメッセージを伝えてきたわけですが、男の子もプリキュアになれるというのは一応その集大成、あるいは男の子プリキュアを実現するための前準備として、これらのメッセージを伝えてきた、という感じでしょうかね。

 

 

 

これまでは、完全に「強い」、「戦う」、「主役」=男の子「可愛い」「弱い」、「補助」=女の子、というのがメディアの主流でした。主役も大抵男の子のものが多くて、女の子は盛り上げ役、飾り的なものでした。今も言ってみればそれが主流なのに変わりはありません。

 

それが女の子が主役となって戦うアニメができた。そして、それが更に進化して、女の子だけではなくて男の子も従来の枠組みから解放しようというのはとてもよいと思います(男の子向けとされるライダーや戦隊でまずそれを積極的にやるべきで??とは思いますがね~・・・いまだに女装はお笑いで敵ボスも大抵男で男女混合の戦隊でも女の子は大抵補助的な感じですからな・・・)。

 

現実でも、女性は女らしさから解放されつつある。一番変わっていないのは(特に年齢が上の)男性なんだと思います。女らしいとされているものに対して根拠なく下に見る意識、古くはスイーツ笑とか、今はインスタ云々とか、女々しいとか、感情的とか・・・がなくならないと変わらないでしょうね・・・・。

 

 

特に若い世代には、りゅうちぇるみたいに女らしいとされるものについても、自分はそれが好きなんだと堂々と主張する男の子も少し出てきたかなという感触がありますが!!

 

 

メディアは現実世界を映し出す鏡のようなものだと思うのですが、それと同時にメディアがリアルに及ぼす影響って大きいです。良くも悪くも。だから独裁者や独裁政権プロパガンダを大いに活用したし、実際にそれは大いに機能しましたよね。

しかも子どもって大人より吸収しやすく影響されやすい。

子供向けに何を発信するかって本当に大切ですよね。

 

 

子供のいいところは比較的(大人より)「変わりやすい」お堅く言うと「可塑性がある」というところですよね。

ハグプリでも、アンリくんの女性的な服装を見てバカにしたり、妹であるえみるに対して趣味のギターを女の子らしくないと馬鹿にしていた「嫌なメガネ」枠の正人兄でしたが、野々はなに名台詞「人の心を縛るな!!」で説教されたり、自分らしくあろうするえみるやアンリの輝きを見て考えを変えるに至ります。考えを変えるに至るどころか、アンリくんの親友兼マネージャーのような存在になってなんかものすっごいラブラブな感じになってしまったよ・・・。

 

 

 

で、やっと話は元に戻って第42話。

ジュニアフィギュア大会が開催されます。アンリは足の故障のため最後の大会にしようと決意していましたが、大会に向かう途中に交通事故に遭い駄目押しとばかりに選手生命を絶たれるような怪我をしてしまいます。

 

慌てて駆けつけたほまれと正人兄。正人兄が自分が変わってあげたいと悔しがるシーンが胸を打ちます。彼の努力を側で見て支えてきた事もありそう思うのでしょうか。

その後病室でアンリは、「もし・・・していれば」、「もし・・・していなければ」という感情に苦しみ、叫びます。

 

「せめて最後はスケートリンクの上で終わりたかった!」

 

不運な事故などにあった人が皆そう思うもしの苦しみで感情を爆発させます。

 

現実とは、時々こんな絶望的な出来事が起きて、どうしようもなく苦しくなることがあって、未来へ希望なんか持てないことが起こるのです。

 

こんな残酷な現実を見せてくるプリキュア・・・。

 

 

そんな状況につけ込んで敵のクライアス社の幹部リストルが、アンリを味方に引き込もうとします。

なんか弱ってる人に近寄ってきて仲間にしようとするって、現実社会でもよく見るやつや!!

 

 

スケートリンクで、アンリの事故報を知り悲しんでいるアンリのファンたち。ファンたちの悲しんでいる様子を見て、より絶望するアンリ。

ここでリストルが「まずは私が見本を見せよう・・・」みたいなことを言って、猛オシマイダーを召喚します。

 

 

アンリを助けようとするプリキュアたち。

何て言っていいか分からないけど、ほっとけない、と叫ぶ野々はな。

そしてはなはアンリにこう問いかけます。

 

「アンリくんのなりたい自分は」と。

 

「なりたいフィギュアスケーター」ではなく、なりたい「自分」。自分自身です。

はなは、フィギュアの才能があるとか足を怪我したとかそういったその人の属性や才能ではなく、「自分のあり方」を問うんです。

 

 

どんなに絶望的な状況でも「なりたい自分」であろうとすることはできる。

 

 

その呼びかけに対して、アンリが感じたのは、フィギュアを始め、最初はできることが増えていくのが楽しかった。けれど、それ以上に、自分のスケートでみんなが笑顔になることが嬉しかった、ということ。

その気持ちが奇跡を起こして、アンリはプリキュア、キュアアンフィニに変身してリンクを舞います。

 

未来に絶望するのではなくて、自分を応援してくれた人のためになりたい自分を貫くことを決意したわけです。

 

リンクを舞うことで、自分を応援してくれたはなたち、そしてファンの人たちに、アンリの「エールのお返し」。正に、はなたちとアンリの、ファンたちとアンリの、エールの交換

 *もう、この辺りで自分の涙腺やばいことになっています。

 

 

しかし、キュアアンフィニは一瞬の奇跡。

唐突に怪我をしたままの病院着の姿に戻ったアンリが空中から落ちたーーーーー!???

 

ときに音速の勢いで駆け出してきてアンリを受け止める正人兄。

いや、人が落ちる速度って結構ですよね??正人兄の反射神経と運動能力すごない・・・??もう2人でプリキュアやったらよくない・・・??

 

 

その後の病室のシーンもいいですね。

はなとさあやとほまれに対して、それぞれのプリキュアが皆翼に関連しているねと指摘して、窓の外の鳥が羽ばたくのを眺めるアンリ。

 

アンリにとって、プリキュアとは「翼」。

 

 

女の子にとって、(男の子にとっても、か)プリキュアが、自分の属性とか境遇とかそんなことに縛られずに、「なりたい自分」であろうとするための、

「翼」であったら、そんなことを思わせるお話でした。

 

 

フレフレ、世の中の女の子と男の子たち。

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